血液の検査には血液の働きを調べる【血液検査】と、血液中に溶け込んでいる化学成分を調べる【生化学検査】があります。




【血液検査】:成分分析により血液の働きを調べます。


赤血球

   ★酸素や二酸化炭素を運搬しています。名前の通り赤い色をしています。血液が赤いのはこのためです。

赤血球が少なくなると酸素の運搬量が減ってしまいます。この状態を【貧血】と言います。
また赤血球の生産には鉄が必要で、鉄が欠乏していると小さな赤血球しか生産できなくなり、
これもまた酸素の運搬量が減ってしまいます。このような貧血を【鉄欠乏性貧血】と言います。



白血球

   ★白血球は細菌など戦います。白血球には好中球・リンパ球などがあります。
この値が高いと体内で炎症(細菌などと戦っている状態)を起こしている事が考えられます。



血小板

   ★けがなどの際に出血を止める役割をします。(矢印の小さな点)


以上の血球の数を自動血球測定機にて測定します。

ベックマンコールター社製自動血球測定機 HMX









【生化学検査】:血中の化学成分を測定することにより、体や臓器の状態を調べます。



採血後、放置すると血液凝固します。この血液を遠心分離すると、血球(赤血球など)と血清(黄色い透明な液体)に
分離されます。大半の検査では検査材料として血清を用い、血清内の酵素・血糖・電解質などを測定します。
遠心前の血液(左)
遠心後の血液(右)
血清だけを試験管に移し、計測機で測定 測定機:東芝TBA-120FR
平成22年導入




血清の状態
通常食事前の血清は透明な黄色をしています。食後の血清は中性脂肪などの油分が増える為白っぽく濁ってきます。
したがって採血は食事前に行います。

また様々な理由により赤血球が壊れると中身の色素が混ざり赤色になります(溶血)。どちらの場合も検査結果に支障をきたします。
溶血がひどい場合は再度採血をお願いする場合があります。
正常 混濁 溶血




血糖値とグリコヘモグロビン

糖尿病とは
 糖尿病とは尿中に糖分が排出されている状態です。
健常人の場合、尿中には糖分は検出されませんが、血液中の糖分(血糖)が多くなると
尿中にも糖分が検出されるようになります。
血糖値が高い状態で放置しますと色々な病気を合併する事が多く、血糖値をコントロールする
必要があります。
血糖値は食事の影響によって上下しますので、血糖値がコントロールされているのかどうか、
分かり辛い問題点があります。
グリコヘモグロビン(Hb-A1c)という検査があり、血糖値のコントロールの指標としてよく検査されます。
グリコヘモグロビンは過去2ヶ月間の空腹時の血糖値とよく相関していると言われており
直前の食事の影響を受けません。



酵素


人体の中では色々な酵素反応が行われています。人体の細胞には色々な酵素が含まれており、
その部位によりどのような酵素が含まれているか解っています。例えば肝臓にはGOT・GPT・γ-GTPなどの
酵素が含まれており、肝細胞が破壊されるとその細胞内に含まれていた酵素が血液中に逸脱してきます。
その結果血液内の酵素量が上昇します。
尚、健常人でも古い細胞の崩壊により血液中に酵素は少量存在します。


腎機能

体内で出来た老廃物は血液に一端入り腎臓で老廃物は尿から出ていきます。腎臓の機能が
落ちてくると老廃物が排出出来なくなり血液中に老廃物が貯まってきます。その老廃物を
測定します。
BUN・クレアチニン等があります。これらの値が高いと透析が必要になる場合もあります。


中性脂肪・コレステロール

これらの数値が高いとドロドロの血液になります。油分が血液内に多く血管内に貯まり易い状態
なので動脈硬化に成りやすく良い状態ではありません。血液はサラサラの方が良いのです。

当院では院内で中性脂肪(TG)・総コレステロール(T-CHO)・HDLコレステロール・LDLコレステロールの測定が可能です。

HDLコレステロールは 欲に言う善玉コレステロールです。
この数値が高くてもあまり心配は要りません。

LDLコレステロールは欲に言う悪玉コレステロールです。
この数値が高い場合は注意が必要です。

総コレステロールが正常でもHDL(善玉)が低くLDL(悪玉)が高い場合は注意が必要です。
逆に総コレステロールが高くてもLDL(悪玉)が低くHDL(善玉)が高い場合は、あまり心配
する必要はありません。
このように総コレステロールだけでは判断できない場合が有る為、総コレステロールではなく、
LDLコレステロール値がメタボリックシンドロームの指標に成っています。